第9章 8・3抗争
『次は....誰?』
「ヒィッ」
「バケモンかよっ」
「う......うぅ.....」
かろうじて意識が残っていたレッドが目の前に転がっていた小刀を手に取るとゆらりと立ち上がる。
「あああああ゙あ゙あ゙!!!」
『っ!?』
「リッカ君!!!」
「死ねええぇぇ!!!」
小刀を持って襲ってくるレッドに鋭い視線を向けるとリツカは手首を持ってグルンッ!!と大の男の身体を投げ飛ばした。
ゴキンッ!!!
「ぐああぁぁぁっ!?」
地面が揺れたかと思うほど音を立て倒れるとレッドは激痛に叫び出した。
『うっさいなぁ。肩を外しただけでしょ。』
グシャッ!と倒れたレッドをリツカは容赦なく踏みつけグリグリと踏みにじる。
「ぐあぁぁ.....」
「容赦ねーな.....」
「なんだ.....何が起きて.....」
「あ、が.....」
『どうする?まだやる?』
「ぐ.....」
いつの間にかレッドから奪い取った小刀を握りしめるとリツカはまだピンピンとしている男たちに切っ先を向けた。
『よく覚えておけ。オマエ達がどんな罪を犯そうが....どんな業を背負おうがオレには関係ないし正直、どうだっていい。』
「......」
『でもな、オレの大切な人たちに手を出す奴は例えそれが神であろうと絶対に許されない!
覚えておけ!!
次、オレの大切な人たちに手を出したら東京卍會 特攻隊隊長 蒼葉六花が貴様らに裁きの鉄槌を下してやる!!』
凛とした声が雨の中に響き渡る。
その時意識が薄れゆく中、ドラケンは目を見張っていた。
彼の瞳には、左手に剣を持ち、煌々とした羽根をはためかせた1人の美しい天使が映っていた。
「はは.....マイキーがオマエの事"天使だ"つってた意味やっと分かったわ.....」
ドラケンがそう呟いた瞬間
遠くからサイレンの音が鳴り響く。
「ヤベェ!!サツだ!!どーするよ!?」
「っ.....バックれんぞ!!テメェら!!」
「キヨマサ君とレッド君は!?」
「ほっとけ!!」
失神している仲間を置いてキヨマサ一派は逃げ去っていく。