第9章 8・3抗争
「なーにメソメソしてんだよ!泣き虫のヒーロー!泣き虫の天使!」
『「アッ君.....」』
レッドを殴り飛ばした千堂敦が2人を見てにっこりと笑う。
すると、12年後の姿のアッ君の面影が彼と重なり、思わず2人が目を見開くと左の茂みが動き、また3人の人影が登場する。
「みんな....」
「溝中五人衆参上!!」
『みんな....なんで....』
「橘が連絡くれだんだ!」
「俺たちに任せろ!」
「あ!?」
「俺たちだってやる時はやるんだよ!!」
そう言うと4人はレッド達に向かっていく。
「カス共が群れたってよォ!」
ゴシャッ!!
重い拳が4人を襲う。
「何ができんの?!無駄なことしてんじゃねぇぞ」
「無駄なこと....?たとえ無駄でもよォ。それでも」
────「引けねぇ時があんだよ!!」
「なぁ!?タケミチ、アオバ!」
殴られ、蹴られ、圧倒的な力に蹂躙されているのにアッ君の言葉を聞いた4人はニッと好戦的な笑みを浮かべた。
「絶ッ対ェ負けねぇ!」
『....ハハ。そうだね。アッ君!』
リツカは一瞬目を見開くとゆらりと前に歩み出した。
「あ?なんだなんだ?ヤル気か?雑魚隊長!」
『タケミチがみんなが体張ったんだ....オレも身体張らなきゃだよね?』
「リッカ君!その怪我じゃもう!!」
「雑魚ミチの言う通りだぞぉ?オマエらはもう負けてんだよ!いい加減諦めろ!!」
『負けてる.....ね。だからどうした!
Even if my life is defeated, I want to fight to the end.
(たとえ私の人生が負け戦であっても、最後まで戦いたいんだ。)
これが私の戦いだ!だから絶対に引かない!!』
「え?」
「あ!?何言ってんのかわかんね────」
バンッ!!!
鈍い音と共に一瞬にしてレッドの身体がなぎ倒された。
「え......」
誰もがその光景に目を張り、なぎ倒した人物に視線を向けると回し蹴りをしたリツカが立っていた。
「おいおい嘘だろ.....なんであの怪我で動けんだよ!」
「それにさっきの蹴り....まるでマイキーみたいな.....」
長内のように一瞬にしてやられたレッドにキヨマサ一派が恐怖したじろぐ。