第9章 8・3抗争
「ドラケン君、リッカ君。巻き込んじゃってすみません」
『今更でしょ。』
「だなー」
「天国ってどんなッスかね?」
「ハハ」
ドラケンは可笑しそうに笑うと血の流れる腹部を抑えながら立ち上がる。
「テメェらは地獄行きだよ。」
『マジか.....全然心当たりないんだけど.....』
「ハハ....俺も悪ぃ事してないっすよ」
「お?何ヤル気出しちゃってんの?」
『そりゃオマエらなんかに負ける気しねぇからだよ!』
「ハハ.....東卍(ウチの)特攻隊長様は血の気が多いな。」
『これぐらいじゃないと血が踊らない。』
刺された腕の感覚は痛みすら感じないほどすでに無い。
恐らくタケミチもそうだろう。
得意の足蹴りもバットで頭を殴られたせいで身体に力が入らず上手くバランスが取れない。
おそらくはあと1発が限界だろう。
「おっと。」
『ヤバ....目の前が霞む....』
「今ならタケミっちでも倒せそうだな。リッカ」
『ハハ......その言葉そっくりそのまま返すよ』
「いらねー」
「2人ともこの状況で余裕そうッスね。」
3人はニヤリと好戦的な笑みを浮かべる。
「やっちまえぇ!!!」
結局 未来は変えられなかった。
「「だあああぁ!!」」
ミッションは失敗した。
でもまだ諦めたくない。
今、下を向けば諦めたことになるだろう。
誰も救えず、誰も幸せにできないのなら....
せめて最後までとことん最低な運命に抗ってみせる。
それが私のリベンジだから......!
レッドがタケミチに向かって小刀を突き出した瞬間
叫び声と共に現れた人物によって殴り飛ばされた。
「おりゃあ!!」
殴られたレッドは家の門に激突すると持っていたドスは明後日の方向に飛んで行った。