第9章 8・3抗争
キヨマサが嫌な笑みを浮かべた。
グサッ!!!
「うがあ゙あ゙あ゙ああぁ!!」
『タケミチッ!!』
叫び声を聞いたリツカは向かってくるレッドを蹴り飛ばして振り返る。
すると、視界に入ったのはタケミチの掌に貫通している凶刀だった。
『っ!!キヨマサ!テメェ!!』
「なんだよ。殺したと思ったのによー。意外と反応いいな。」
「タケミチ君!!」
「ヒナ!危ない行っちゃダメ!」
「離して!タケミチ君が!」
『ヒナ!!来るな!!大丈夫....タケミチを信じて。』
「っ!」
「タイマンなんてする気ねぇよ。ただの処刑だろ?殺してやるよ。ハナガキ」
『処刑?はは.....笑わせないで。負けるのが怖いだけだろ。』
「あ?」
勝ち誇ったように笑うキヨマサをリツカがキッと睨みつける。
『タケミチに勝てないそう思ったからドスを使ったんだろ?負けるのが怖くて怖くて....みっともなく怯えて....』
「ああ!?」
「そうやって一生怯えてろよ。そういう奴は何も守れず、居場所も大切な人も失っていくんだ。』
「くっ!雑魚がシャシャってんじゃねぇぞ!!ぶっ殺されてぇのか!?ああ!?」
『.....オマエはオレ達を雑魚って言うけど。本当はいつも何かに怯えて卑怯な手しか使えないオマエみたいなのを雑魚って言うだよ。でも、タケミチは違う。みっともなくたって、強くなくたって絶対に諦めない。そういう奴は雑魚じゃない!!
──────そうでしょ?タケミチ!』
ニヤリと笑ったリツカの顔を見てキヨマサは振り返ると叫び声を上げながら、深々と刺さった刃を抜くタケミチの姿を捉えた。
「あ゙あ゙あ゙あ゙あっ!!!」
「!?」
リツカに気を取られていたキヨマサは懐にタケミチの侵入を許すと、そのまま脇腹を噛まれる。
「痛えっ!!」
「噛みつきやがった!?」
「みっともねぇ真似してんじゃ───グハッ!」
『みっともなくて何が悪いんだよ。』
野次を飛ばすレッド達に強烈な一撃を喰らわせる。