第9章 8・3抗争
俺が....
私が....
逃げたらここで終わりだ。
みんなの為だけじゃない。
自分たちのために....
「なんだ?テメェら。死にてぇのか!?コノヤロウ」
歩み寄ってくる2人にキヨマサが鋭い視線を向ける。
「逃げなくていいのか!?雑魚ミチ!雑魚隊長!」
『「逃げねぇよ。」』
今度こそ逃げねぇ。
これは俺の、私の、私たちの、人生の
『「リベンジだ!」』
卍 卍 卍
周りの雑音をかき消すように大量の雨粒が降り注ぎ、向かい合ったまま睨み合うリツカ達の身体を濡らす。
『タケミチ。レッド達はオレに任せて。キヨマサは任せたよ。』
「うん。」
リツカはキヨマサの横をすり抜けてレッド達の前に立ちはだかった。
「キヨマサ君。決着ついてなかったよな?」
「あ?」
「喧嘩賭博のタイマン勝負。」
「何言っちゃってんだ?テメェ!」
「ありゃどう見てもテメェの負けだろが!?」
「負けてねぇよ。」
煽るように発言したレッドの言葉を否定したタケミチを前にキヨマサが青筋を立てる。
「へー。じゃあ、タケミっちに1億円!」
「へ?」
「くだらねぇけど乗ってやるよ。」
「ヒナも!!タケミチ君に1億円!!」
「うちは3億円!!」
『じゃあオレは4億円!!』
「リッカ君まで!?」
『ヒーローは負けないんでしょ?』
驚くタケミチにリッカはふっ。と笑ってみせる。
「コイツら切羽詰まってどーかしちまったんじゃねーか?」
「してねぇよ。」
「あ?」
「タケミっちが勝つ。」
4人の期待を一身に受けたタケミチはフゥーと小さく息を吐く。
「(ありがとう、みんな。)行くぜキヨマサ!!勝負だ!!」
声高々に叫んだタケミチが拳を振り上げながら、キヨマサに突っ込んだ時だった。