第9章 8・3抗争
卍 卍 卍
リツカはグッ!と自身の腕を止血しながらドラケンに駆け寄ると既に駆けつけたタケミチが真っ青な顔でドラケンの前に座り込んでいた。
「ドラケン.....ドラケン....ドラケン君!!」
『タケミチ!!』
「リッちゃん.....どうしよう.....ドラケン君が....ドラケン君が刺された!」
涙を流しながら、弱々しく肩を震わせるタケミチを前にリツカは息を荒くしながら駆けつけると、見下ろした。
「終わった。終わっちまった。ドラケン君が......死んじまった!!クソッ!!また俺は!!!」
『タケミチ.....』
「また俺は失うのかよ!!」
『タケミチ。落ち着いて。』
「ヒナも!アッ君も!救えねぇのかよ!!」
『っ!少し落ち着け!!花垣武道!!!』
────バチンッ!!
「ッ!」
リツカは項垂れるタケミチの頬をビンタすると、胸ぐらを掴みあげた。
『ドラケンが刺された今、私たちが次にすべきこと何!?ドラケンを助けることでしょ!!何で諦めてるの?まだ助かるかもしれないじゃん!!』
「!」
『アッ君を....ヒナを.....皆を救うんでしょ!?まだ誰も救えてないじゃん!私はこんなところで諦めたくない!杏花もマイキーもみんなも救いたいんだ!!タケミチだってそうでしょ!?ならこんな所で諦めないでよ!!ヒーロー!』
「!リッちゃん......」
「ガハッ!ゴハッ!!」
重たい咳と共にドラケンが血を吐き出した。
『まだ生きてる!まだ助かるかもしれない!!』
「タケミっち!」
「マイキー君!」
「ケンチンを頼む!!」
「!!俺が.....」
『また終わってない!行こう!ヒーロー!』
「ああ!天使様!」
タケミチは自分よりも頭一つ分あるであろうドラケンの巨体を担ぎ上げると病院まで歩み出した。
「重いっ....」
「ガハッ!!ゴハッ!!」
『ドラケンっ!.....大丈夫だから、諦めないで。絶対助かるから。』
「大丈夫ッスよ。絶対助かりますから!」
2人が意識のないドラケンに言葉をかけていると、後ろからヒナたちが追いかけてきた。