第9章 8・3抗争
「リア!!」
聞きなれた声と共に殺気を放つマイキーが2人の間に割り込み、半間に向かって回し蹴りを繰り出す。
不意打ちだというのに半間は受け止めると、2人から距離を取った。
『マイキー....』
「リア、無事か───っ!?」
小刀で串刺にされた左腕と流れ出している鮮血を見てマイキーはハッと息を飲むと目を見開く。
「半間。テメェか?」
「あ?」
マイキーはポケットの中からハンカチを取り出して、リツカの手当をしながら半間に問いかける。
「テメェが俺のリアを傷つけたのか!?」
『マイキー!ちがっ「だとしたらどーするよ。マイキー?」
半間は殺気立つマイキーに血の着いた手をチラつかせる。
恐らく喧嘩の時にでも着いたのであろう。
『(コイツ何言って!)』
「殺す!!」
「ばは!ダリィ。」
「半間ァ....テメェもしかしてこの前のもお前の仕業か。」
「さぁ、どーだろうなぁ?そこの天使サマにでも聞いてみたらどうだ?」
辺りを支配するほどの殺気を放つマイキーに半間がニヤリと嫌な笑みを向ける。
『マイキー!違う!確かにこの前のはコイツだけど、オレを刺したのは────』
「なぁ!リッカ。せっかく面白くなってきたんだから、水を差すなよォ。」
『っ.....』
「下がってろ。」
『でも.....マイキー』
「場地!!」
「おう!マイキー!なんだ?」
マイキーに呼ばれ近くにいた場地が近くへと駆け寄ってくる。
「リアを頼む。」
『マイキー!オレはまだ....』
「わかった。行くぞリアァ」
『離して圭介!』
「リア、場地と一緒に下がってろ。その怪我じゃどの道無理だ。」
『っ.......』
「オラ。行くぞ!」
この2人を止めれない。止められない....
そのことを察したリツカは力なく俯くと、半ば引きずられるようにしてそばを去った。
「じゃーなー"俺の可愛い天使チャン"。また会おうな?」
『....私はお前のじゃない。いつかそのにやけ面掻っ切ってやるっ。』
「楽しみにしてるぜェ♡」
すれ違う瞬間
そう言った半間に地を這う声で言い返したリツカは目の前の混沌とした渦の中へと消えていった。