第9章 8・3抗争
「へぇー意外。マイキーって頭もキレるんだね」
『「!」』
気だるそうな声と共に現れた人物に5人は視線を向ける。
「(....なんだ?コイツ)」
『あ....あぁ....』
「(リッちゃん?)」
『コイツは....』
左手の甲に「罪」、右手の甲に「罰」のタトゥーを入れた長身の男がマイキーに近寄る。
そして後ろにいたリツカを見て一瞬ニヤリと嫌な笑みを浮かべた。
「この前ぶりだな。リッカ♡」
『ヒィッ.....』
「誰?」
男を見た瞬間
小さな悲鳴を洩らし、心做しか怯えているリツカを隠すように立ちはだかったマイキーが問いかける。
「退けよ、マイキー。俺はリッカに話してんだけど?」
「うっせぇ。さっさと答えろ。」
「だりぃ.....オレが誰とかどーでもいいけど。一応今"仮"でメビウスを仕切ってる半間だ。」
愛美愛主 "仮"総長 半間修二
「オマエが裏でネチネチしてるキモイやつ?」
「面倒クセェなぁ。マイキーちゃ.....」
ドッ!!
「んっ」
鈍い音が聞こえ、長内をも仕留めたマイキーの蹴りが半間を襲う。
誰もが終わったと思ったが、その蹴りは半間により止められていた。
あまりの出来事にマイキーは驚愕の表情を浮かべ、全てがスローモーションに見えた。
「!」
「手痛ってー.....」
「マイキーの蹴りを止めた!?」
『嘘....』
信じられないと三ツ谷とリツカは声を震わせる。
「そんなに急ぐなよ。マイキー
オレの目的は東卍潰し。かったりぃから内部抗争っしょ。」
痛む手をプラプラと振りながら半間が話始めると、5人を囲むようにワラワラとメビウスの残党たちがあらわれる。
「でも結果オーライかな。これで"無敵のマイキー"をこの手で────」
────「ぶっ殺せるからな!!」
半間は嬉しそうに猟奇的な笑みを浮かべる。
それを見たタケミチとリツカの背筋にゾクッ!と冷たい何かが伝った。
「(コイツが黒幕なのか......?)」
『(.....狂ってる)』