第9章 8・3抗争
「そこ曲がったらすぐだ!!」
『「うん!/はい!」』
曲がった瞬間
目の前には白い特服を着た無数の人々が倒れていた。
その奥で、争う声が聞こえ視線を向けると襲いかかる残党を前に立ち向かう大きな背中が見えた。
「いた....ドラケン」
『「ドラケン!!/ドラケン君!!」』
「おう。三ツ谷.....タケミっち、リッカ。」
「タケミっち!三ツ谷!リツ兄!!」
背後から泣きそうな声が聞こえて振り返ると怯えた様子のエマが立っていた。
「エマちゃん」
『エマ!』
「ぺーやん!テメェ!!!何、メビウスとつるんでんだよ!!」
『ペー!!オマエ!自分が何してんのかわかってんのか!!』
ぺーやんに向き直った三ツ谷とリツカが怒号を上げる。
しかし、ぺーやんはその声に怯えるわけでも無くただ憎悪に満ちた目で4人を睨みつけた。
「うっせぇ。三ツ谷、リッカ!テメェらも殺すぞ!」
『「あ?」』
「弐番隊隊長の三ツ谷と特攻隊隊長のリッカだ。」
「強ェーぞ。」
ザワっとメビウスの間で声が上がる。
「ぺーやん!卑怯だよ!こんなに大勢連れてきて!それでも男!?」
「.....」
「あー疲れたぁ。」
そう言いながらも、ぺーやんを睨みつけるドラケンの額には真っ赤な血が着いている。
明らかにそれは返り血ではないことはついさっき来たタケミチたちでも理解出来た。
「ドラケン君!大丈夫ッスか!?」
「流石に....限界か。あとは頼むぞ。三ツ谷、リッカ」
「うっす。」
『りょーかい。』
タケミチの問に答えることなく、ドラケンはフラフラとしながらその場に座り込む。
「あー頭いてぇ。やる前に悪ぃけど、リッカ。応急処置頼めっか?さっきから血ぃ止まんねぇーんだわ。」
『うん。三ツ谷、ドラケンの処置終わったら加勢する。』
「おー」
リツカはメディカルポーチを取り出すと、パックリと切れた傷口に処置を始める。
「テメェら4人で適うと思ってんの?」
「うっせぇ。ボケ。」
数で上回っているからか、勝ち誇ったように問いかけるメビウスの残党に三ツ谷は笑いながら暴言を吐くのに対しタケミチは緊張した様子で辺りを見回す。