第9章 8・3抗争
『はい。もしも────』
《リッカ!!やばい事になった!!》
『三ツ谷!どうしたの?』
《オマエ、マイキーと祭り来てたよな?今一緒にいるか?》
『今さっき、ペーに呼び出されたって.....』
《クッソ!!手遅れだったか!》
『落ち着いて!何があった?』
《ドラケン狩りが始まった!》
『!嘘.....なんで!そんな報告一言も.....』
「お前の隊に裏切り者がいたんだよ!」
『だとしてもなんで!?2人の喧嘩は止めたじゃん!』
《ペーは納得してなかったんだ!メビウスの残党とつるんで今ドラケンを狙ってる。とにかく俺もそっちに向かう。オマエはドラケンを見つけたら守ってくれ!》
『っ....わかった。』
雨宿りしていた木から飛び出したリツカは宛もなく走り出す。
『ドラケン!!ドラケン!!』
油断していた。
内部抗争の原因を断てば、抗争は無くなると思い込んでいた。
ドラケンが死ぬのは8月3日
今日がその8月3日だ!!
何で私は抗争は起きないと決めつけた?
何で私はドラケンのそばを離れた?
また私は守れないのか?また目の前で失うのか?
嫌な考えが思考を支配し、暑いはずなのに冷や汗が伝う。
『また私はっ』
ギリィと拳を握ると、勢いよく左右に頭を振る。
今は悔しがっている暇はない。
とにかく今はドラケンを見つけ出さないと。
『ドラケ────』
「リッカ!!」
『三ツ谷!』
「ドラケンは?」
『ごめん!まだ見つかってない。』
「クソっ!とにかく急ぐ───」
合流した三ツ谷と話していると後方からタケミチが走りよってくる。
「リッカ君!三ツ谷君!」
『「タケミチ/タケミっち!!」』
「やばいッスよ!ドラケン君が襲われる!」
「ああ.....わかってる。」
「「ぺーやんだろ!/キヨマサ君に」」
2人の意見が見事に割れる。
「は?」
「え?」
『どういうこと?』
「とにかく急ぐぞ。もう時間がね、え....」
『どうしたの?』
「ぺーやんのバイクだ。」
『!?ぺーやんはもうここに居るだ。急ごう!』
「おう!」
「う、うん!」
バイクを降りた三ツ谷に続き、2人もドラケンを探すために森へとはいる。