第9章 8・3抗争
『マイキー?どうしたの?』
「.....俺じゃなくて、リアが選んでよ。」
『え?』
「せっかくならリアが選んだやつが欲しい。」
『.....わかった。』
少し戸惑いながらも、12個あるピアスの内ある1つへと手伸ばした瞬間。
ピロン。
隣にいたマイキーの携帯が鳴る。
「!」
内容を確認したマイキーはどこか深刻そうな顔をする。
「悪ぃ。リア、ペーから呼び出された。ちょっと行ってくる。」
『え、ちょっ!マイキー!』
「隊長さん!ほら、早く選びな!」
『え、あ、は、はい。』
マイキーを引き留めようと追いかけようとするがそれをオジサンに阻まれ、リツカは戸惑いながら薄緑の天然石の着いたピアスを選ぶ。
「アンタお目が高いね!ソイツはペリ.....ペリー?なんだったかなぁ......えーと、あ!ペリカンだ!」
『いや、ペリドット。』
「そうそれ!」
『彼の誕生石なんです!だからこれにします。』
「!」
リツカはどこか儚く笑うとオジサンはニカ!と笑った。
「アンタよっぽどあの兄ちゃんが好きなんだな。」
『え....そんなにわかりやすいですか?』
「わかりやすいって言うか、アンタぐらいの歳のやつってのは自分の欲しい物とかを選ぶんだがアンタはあの兄ちゃんを思って選んでたからな。」
オイちゃんにはわかったんだよ。と笑われリツカは少し顔を赤らめる。
「まぁ、頑張りな。」
『はい!ありがとうございます!』
「また来いよ!隊長さんたちなら歓迎するぜ!」と言いながらオジサンはリツカを送り出してくれたが
その瞬間
ポツリとリツカの額に雨粒が降り注ぐ。
『天気予報では雨降るなんて言ってなかったのに。』
マイキー、大丈夫かなぁ。なんて思いながら澱んだ空を見上げるといきなり着信音が鳴り響いた。
その瞬間何故が嫌な予感がした。