第2章 目を覚ましたら過去だった....
『それにしてもリアルな走馬灯だ。そういえばタケミチは無事かな....』
本当にこんなことが有り得るのかは分からないがこれが走馬灯と言うやつのなのだろうと心の中で無理矢理納得する。
アニメや漫画ならまだしも、こんなことが現実に起きるのか?
いくらなんでも可笑しすぎるだろう。
しかし、これは現実だと言わんばかりに殴られたであろう場所がズキリと痛む。
『...でも悪くないかな...この走馬灯も。』
待ち受けにある真一郎とマイキー、エマ、場地と撮った幼い頃の写真を一瞥して、先を歩いて行くマイキー、場地の2人の背中を着いていく。
「おら、リアァ。早くしろ〜」
『ちょ、待って!置いて行くなぁ!』
そういえば昔からそうだったな。
マイキーと場地が道を示して私はいつも後ろを着いて行ってた。
でも、いつからだっけ?
彼らの背中が見えなくなったのは...
「なぁ、そういえばオマエ帰らなくていいの?」
『え?』
抗争も終え、3人で街をブラしていると場地がリアに問いかける。
「え?じゃねえよ。今日妹の誕生日なんだろうが。早く帰ってやれよ。家で待ってんだろ?アイツ。」
『妹って....』
「あ?お前の妹だよ。名前なんつったっけなァ......えーと、あ!蒼葉杏花(あおば きょうか)だ!」
その瞬間チリン。と脳内で鈴の音が木霊する。
【××××!】
『あれ?杏花の顔ってどんな顔だったけ...』
まるで塗りつぶされたように妹の顔も声も思い出せない。
『杏花!!』
「あ!おい!リア!!」
リツカはバッと顔を上げると一か八かその場を飛び出した。
止めようとする場地もマイキーも置いて無我夢中である場所を目指す。
もしここが走馬灯の世界なら、あの子がいるかもしれないそう思ったからだ。
もう数年後には無機質なビルが立ち並んでいる土手を抜けて、小さな公園へと走った。