第9章 8・3抗争
卍 卍 卍
海國たちと別れ、気まづい空気の中リツカ達はまた屋台を回る。
『あ、あの....』
「ん?何?」
『どうしたら機嫌直してくれる?』
「ん〜ヤダ。」
マイキーは一瞬考える素振りを見せるが、直ぐにリツカを絶望に突き落とす。
『なんでもするから!』
「じゃあさぁキスしてよ。」
『え.....?』
「だからキスしてってこーやってさ。」
妖美な笑みを浮かべたマイキーがリツカに迫る。
『近い近い近い!!』
「こうしないとキスできないじゃん。なんでもしてくれるんだろ?」
『え、あ.....〜〜〜っ!!』
段々と近づいてくるマイキーの顔にリツカは顔から火が出るのではないかというぐらい赤面すると、目をきつく閉じる。
すると、クスクスという笑い声が聞こえてきた。
『?』
「なーんてね。ほーんとオマエコロコロ表情が変わるね。」
『〜〜〜っ!?マイキーが揶揄うからでしょ!!』
からかわれたのだと理解したリツカは口をパクパクとさせながら怒鳴る。
「何?俺のせい?」
『マイキーのせい!!』
「ふーん。俺のせいなら、もっとしていい?」
悪戯っ子の笑みを浮かべたマイキーがもう既にキャパオーバー寸前のリツカの顔に吐息が掛かってしまうのではないかと思うほど近寄る。
『....〜〜っ!今はダメ!!』
「じゃあ今じゃなきゃいいの?」
『そ、そういう訳じゃ....』
キャパオーバーしてしまったリツカがマイキーを引き剥がし、真っ赤な顔を隠すためにお面を被り俯くと、ビッ!!と射的屋を指した。
『特賞.....』
「?」
『と、特賞.....取ってくれたらなんでも言うこと聞いてあげる.....』
「へぇ〜。それ本気?」
ニヤリと悪い笑みを浮かべたマイキーにしまった。墓穴掘った。と思いつつも後の祭りというもので、覚悟を決め頷く。
『.....本気。』
するとマイキーは今日1番じゃないのかと思えるほどの笑みを浮かべた。
「じゃあ行こうぜ!リア!」
『え、あ、ちょっと!』
清々しいほどの笑みを浮かべたマイキーに腕を引かれ、射的屋へと連れていかれた。