第9章 8・3抗争
「ん。カスタードも結構上手いね。」
『でしょ───ってうわ!』
マイキーが齧ったところから溶けだしたカスタードがポタリとリツカの手の腕に落ちる。
『受け皿作っといて良かった。』
そう言いながらリツカが手に着いたカスタードを舐めようとすると、それを見たマイキーはリツカの腕を引っ張ると自分に引き寄せ
ペロリ。
とリツカの手のカスタードを舐めとった。
『!?』
その瞬間
先ほど自分がされた行為を理解したリツカは顔や耳までも真っ赤に染め上げる。
『な、な、な....』
「顔すっげぇー真っ赤。なーに照れてんの?さっき間接キスしたばっかじゃん。」
『....はァ?何言ってんの。』
「なんだよ。反応薄いな〜」
『男同士で食べさせあいっこするのなんて普通だろ?ごめん。ちょっと御手洗行ってくる。たい焼き持ってて』
「おー」
マイキーはリツカを快く見送ると離れていく背中を見ながらニヤリと笑う。
「(あの反応.....まだ脈アリってことでいいのよな。さぁて次はどーすっかなぁ。)」
マイキーがそんなことを考えているとは露知らずマイキーから離れたリツカはトイレの裏手に回り込むとその場にうずくまった。
『〜〜〜っ!(びびった!びびった!顔に出てなかったよね!?大丈夫だったよね?!)』
マイキーの言葉にハッとしたリツカは自身の口に手を当てた。
ドクンドクンッ!と心臓が高鳴る。
顔に熱が集まって、背中にじっとりと汗が滲む。
『はぁ....とりあえず顔洗お。』
恐らくりんご飴のように真っ赤であろう顔を少しでも冷ますためにリツカは顔を洗い、トイレを後にする。
そして、マイキーが待っているところへ向かおうとした時、聞き馴染みのある声がそれを停めた。
「「あれ??隊長?」」