第9章 8・3抗争
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鳥居を潜ったリツカ達の目の前には煌々と光る赤提灯と賑わう露店、行き交う人々の姿が広がっていた。
『わぁ!いつ見てもここのお祭りはすごいね!』
「おー相変わらず人多いなー。」
『マイキー、どこから回る?』
「リアが決めていいよ。オマエの為に来たんだし。」
『うーん💦これだけ多いと迷っちゃうなぁ。』
「あはは!ゆっくり回りながら決めよーぜ!」
マイキーはそう言うとリツカの手を引き、歩き始める。
『うん!マイキー。今年も金魚すくい勝負しようね!』
「いーよ。絶っ対ぇ負けねぇ。」
2人はお互いの顔を見て笑い会うと、目の前に広がる煌々とした赤提灯に彩られた道を歩いていく。
『そういえばエマたちも来てるんだよね?』
「エマの奴ケンチン困らせてんだろーな。」
『この前の暴走はさすがにびっくりした。』
「巻き込まれたタケミっちは災難だったよな。」
『ヒナにすっごく怒られてた!』
「ハハハ!ヒナちゃん怖ぇーからな!」
笑い話をする2人の前に1つの屋台が目に入る。
『あ、マイキー。たい焼きあるよ。』
「食おうぜ!」
『うん!』
リツカは嬉しそうな顔を浮かべて少し後ろを歩くマイキーに視線を向ける。
パシッとマイキーの腕を掴んだリツカは駆け出した。
「ヘイ!いらっしゃい!」
随分と癖のあるオジサンが2人を出迎える。
「へぇー色々あるな。」
『定番のあんこにカスタード、チョコとか抹茶なんかもあるよ!』
「リアはどれにすんの?」
『うーん迷うなぁ。たい焼きと言ったらあんこけどカスタードもいいなぁ.....』
「じゃあ、俺、あんこにしよ。おっさんあんこ1つね。」
「あいよ!」
『うーんオレはカスタードにしよっかな。おじさん!カスタード1つください!』
「あいよ!」
代金を支払おうと財布からお金を取り出し渡そうとした瞬間
屋台のオジサンがにやりと笑った。