第9章 8・3抗争
ナオト、ごめんね。
少しだけ少しだけこの時を楽しんでもいいかな?
ちょっとだけでいい。
今この瞬間をマイキーと一緒に楽しみたい。
明日また頑張るから、今は少しだけ少しだけ.....
リツカは寂しそうなでも、開放されたような優しい笑顔を浮かべるとマイキーの手を離さないようにキツく握った。
それはまるでなにかの暗示のようにも思える行為だとも思えた。
この後まさかあんな事が起こるなんてこの時の私は考えてもいなかった。
嵐の前の静けさとは正にこの事だったのだ。
2人の喧嘩を止めた。
これで内部抗争は起きない。
ドラケンは死なない。
そう思い込んでいた.....
でも、違った。
まだ何も終わっていなかったのだ。
あれは序章でしかなった。
この時の私は気づいてきなかった。
運命の歯車が今少しずつズレ始めているということに.....