第9章 8・3抗争
「これでよし。」
満足気に笑うマイキーの左薬指にもリツカと同じ指輪が嵌っている。
「これでオマエが俺のモノってわかるだろ。今日1日外すの禁止な!」
マイキーはそういうとまるで取り上げるようにポケットにチェーンを入れ、何かに気づいた様子でリツカの頬を撫でた。
「そういえばいつもと髪違うな。ハーフアップってやつ?」
『ハ、ハルがしてくれたんだ。オレ不器用だから....』
「ふーん。てか、今思ったけどお揃いだな。」
『え、あ....』
「すっげぇ似合ってる。これからその髪型にしてよ。」
マイキーは嬉しそうにそういうとするりとリツカの髪を撫でる。
「服もいつもよりオシャレ。」
『せ、せっかくのお祭りだからね....』
「俺のためにしてくれたんじゃねーの?」
『....えぇっと。』
「リア?」
『〜〜っ!それもちょっとある....かも.....です((ボソッ…』
「似合ってんじゃん。可愛いよ。」
『なっ!男に可愛いって.....』
「可愛いよ。赤い顔も泣き虫な所も全部が可愛い。さすが俺のリツカ。」
『なんがすっごく複雑....でも、ありがとう....』
りんご飴のように顔を真っ赤に染め上げるリツカを前にマイキーは少し背徳感を感じながら、微笑むとリツカの淡い青紫の瞳がよく見えるように目にかかった髪の毛を払い除けた。
「さて、行くか。」
『う、うん。(今思えばこれで付き合ってなかった私たちってある意味すごいな.....)』
まだ顔の赤いリツカをまるでエスコートをするように優しく手を握ると石段を登り、赤い鳥居をくぐる。
「せっかくの祭りなんだ、楽しもうぜ!リア!」
『うん!』