• テキストサイズ

さよならマイヒーロー【東リべ】

第9章 8・3抗争


「そういえば、リッカ。」


『ん?』


カランとピアスを鳴らしながらリツカは振り返る。


「今日は随分と洒落てるな。」


『ふふ。まあね。今日夕方からマイキーと武蔵祭り行くんだ!』


「通りで....だが髪が乱れてるぞ。」


『え!?嘘!』


バッ!と頭に手をやるとムーチョの言う通りピン留めが甘かったのか、留めていた髪がぐちゃぐちゃになっていた。


『うわぁーマジだぁ。ムーチョ鏡持ってない?』


「櫛はあるが鏡はここには無いな。三途。持ってるか?」


「持ってないです。」


『そっかぁ。....30分もかかったのに』


「なんでピン留めだけで、そんなにかかンだよ。」


『だって慣れてないもん。そりゃパーティーの時はあの人.....あ〜えっと。お、親がうるさいからアレンジするけど、その時以外はなかなか弄らないし。』


「.....」


『ま、自分でやると時間かかっちゃうし。東堂にでも頼もうかな。』


少し残念そうな顔をするリツカを見てムーチョの後ろに控えていた三途がはぁと息を吐くとリツカの手を掴み椅子に座らせた。
ムーチョはそれを見てフッと笑う。


『ハル?』


「じっとしてろ。」


三途はそういうとリツカの髪からピンを外し、どこから出したのか赤い紙紐と櫛を取りだしリツカの髪の毛をいじり始めた。


「こんなモンだろ。」


『え?』


しばらくして三途はソッと手を離す。


「ほら、終わったぞ。ってことでさっさと帰れ。」


『え?、え?』


グイッ!とリツカの腕を掴み立ち上がらせると、三途に半ば追い出されるように外に引っ張り出される


「今年こそ成功させろよ。」



────バタンッ!!


『え?』



意味もわからず追い出された.....
結局、そのままお祭り用でエマに選んでもらった服へと着替える為家に帰った。



『ただいま〜』


「おかえ────」


『ん?どうしたの?東堂??』


リツカを出迎えた東堂は驚いたように目を見開いた。


「いえ、随分とオシャレですね。似合ってますよ。」


そう言った東堂の前には赤い紐でハーフアップにしたリツカが立っていた。


『え....』


「ほら。」


『うわ!ハル、凄っ!』


「その髪型だと、今用意してるのよりはこっちの方が似合いそうですね」
/ 636ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp