第8章 喧嘩とすれ違う思い
『もういいよ。マイキー。仲直りしよ?』
「うん。」
『大嫌いって言ってごめんね。いっぱいいっぱい傷つけてごめんね。マイキー』
「いーよ。俺が悪かったんだし。俺もいっぱいオマエのこと傷つけた。ごめん。」
『いーよ。これで仲直りだね!』
そういうとマイキーはさらにキツくリツカを抱きしめる。
「また、飯作ってくれる?」
『マイキーの好きな物何でもを作るよ。』
「スイーツは?」
『この前のタルト、マイキーに渡せなかったから今度作ってくるね。』
「お祭り、一緒に行ってくれる?」
『今年も2人で回ろ。』
「また......お前を守らせてくれる? 」
『!』
マイキーはソッとリツカから離れると、真剣な表情で尋ねてくる。
それを見てリツカは花笑みを浮かべた。
『もちろん!マイキー、またオレをマイキーのモノにしてくれる?また、守ってくれる?』
「絶っ対ぇ守る。リア、オマエは俺のモンだ。誰にも渡さねぇ。」
少し拗ねた様子のマイキーはそう言うとポケットからシルバーの指輪を取り出す。
そして、優しくリツカの左手を取ると、薬指に指輪を填めると思いきや、薬指を根元まで咥えた。
『ひっ!マイキー!いっ!!』
ガリィッッ!!
ブツッと肉が避ける音がして、激痛ともに薬指が熱くなる。
『〜〜ぁ!!痛いっ!!』
「ん....」
しばらくしてマイキーは指から銀の糸を伸ばしながら、口を離す。
そして、プツリと糸が切れるとそのまま薬指に口付けをした。
「コレで正真正銘オマエはオレのモンだな。」
『?』
痛みに耐えていたのか少し息の荒いリツカは薬指に視線を向けるとまるで赤い指輪が填めてあるかの様に真っ赤な歯型が残っていた。
「コレで指輪外しても俺のだってわかるだろ?」
『.....もしかして根に持ってる?』
「あたり前じゃん。俺指輪だけは何があっても外すなってつったよな?」
黒い笑みを浮かべながら、マイキーはリツカに詰め寄る。
『あ〜....それについては、ごめんなさい。』
「絶っ対ぇ許さねぇ。」
『えぇ〜』
いつもの調子を取り出したマイキーは、リツカの首に突き返した指輪を通したネックレスをつけ、指輪に口付けを落とす。
その行為にリツカは顔を真っ赤にすると俯いた。