第8章 喧嘩とすれ違う思い
「お仕置として外す気も起きねぇように絶っ対ぇわからせてやる。覚悟しとけよ?リツカ」
マイキーはそう言うとリツカを押し倒し、手をベッドに縫い付けニヤリと笑った。
当の押し倒されたリツカは口をハクハクと動かし、顔を真っ赤に染め上げる。
「あはは!ジョーダンまだ食わねぇよ。」
『まだ!?(って事は....)』
「あはは!顔真っ赤!何?照れてんの?」
『〜〜っ!うるさい!指すっごく痛かったんだからね!?』
「ごめんって!リア、ごめんって!」
爆笑するマイキーにべしべしと枕をぶつけながらリツカは涙目で訴える。
すると、その声を聞き付けてか、ガチャッとマイキーの部屋のドアが開いた。
「やぁ〜と仲直りしたかオマエら。」
「リツ兄〜!」
『ドラケン、エマ!うぐっ!』
少し涙目のエマがリツカに思いっきり抱きつくと、まるで絞め殺すと言わんばかりに締め付ける。
『エマ、ギブギブ!ぐるじい゙〜〜』
「リツ兄〜!心配したんだからね!」ギュッ!!
『ぐぇー、ごめんごめんね。もう大丈夫だから。エマ少し緩めて、マジで死ぬ....』
「もう、本当に大丈夫?」
『....うん。大丈夫だよ。心配かけてごめんね。せっかくの楽しいショッピングだったのに。』
リツカはポンポンとあやす様にエマの背中を優しく叩きながら、慈悲深い優しい笑みを向ける。
『でも、エマ。ありがとう。みんなのおかげで仲直り出来たよ。』
「じゃあ、お祭り行くの?」
『うん。』
「〜〜!やったぁ!」
「エマ、リアにくっつき過ぎ!オレのなんだけど。」
ベリッ!とマイキーはエマを引き剥がすと、まるで小さな子供が玩具を取られまいと隠すようにリツカを腕の中に抱き込める。
「いーじゃん!別に!」
「だーめ!」
「ケチ!」
「オマエらいい加減にしろ〜。コイツ病み上がりだからな?」
「「ケンチン/ケンちゃんは黙ってて!!」」
『あははっ!』
兄妹喧嘩を始めた2人にリツカは思わず、声を漏らして笑う。
それからリツカはマイキーに電話を借りて、家に帰ると明日が楽しみで夜が眠れなくなってしまい、翌朝 青葉邸に東堂の怒号が響き渡るのだった。