第8章 喧嘩とすれ違う思い
「.....」
『.....』
そこからは長い沈黙が流れる。
マイキーは視線を下げたまま、ずっとハクハクと口を動かすだけで何も言わない。
重たい空気だけが2人を包み、ズシッと肩にのしかかった。
『あ、あの.....マイキー......』
沈黙に耐えきれず、口を開くとバッ!とマイキーは弾かれたように顔を上げ、どこか気まずそうな視線をリツカに向ける。
『あ、えっと。助けてくれたのは感謝してる。ありがとう.....でも、なんでオレを助けたの?』
単純な疑問だった。
だってもう私は貴方のモノじゃない。
貴方にとって私は東卍の意志に反する者
貴方にとって私はメンドくせェ奴。
私は貴方を酷く傷つけた。
なのに何で私を助けたの??
もう守らないんじゃなかったの?
そう思ったら口が勝手に動いていた。
その瞬間
マイキーの目が大きく見開かれる。
「なぁ.....まだ怒ってんの?」
『別に。怒ってないよ。』
「なら何で、んなこと言うんだよ。」
『疑問に思っただけ。なんで酷いこと言った....マイキーの事嫌いって言ったオレを助けてくれたのかなって。』
「それは.....オマエが大切だから。」
『.....でも、オレはもうマイキーのモノじゃないよ。』
『だから、守る必要も助ける必要もなんてない。』そういうとマイキーは辛そうに言葉を詰まらせるとハクハクと口を動かす。
リツカはそんなマイキーから視線を逸らした。
『オレが悪かったんだよ。.....抗争を止める事しか考えてなかった。マイキーやパーの気持ち考えてなかった。理由も言わず2人に指図して、マイキーの決定に逆らった。』
「リア.....」
『......オレ気づいてたんだ。パーが長内を刺そうとしてたの、なのに止められなかった。こうなるってわかってたのに。なんにも出来なかった。だから全部オレが悪かったんだよ。マイキーが謝る必要なんてない。』
だからそんな辛そうな顔しないでよ。
全部私が悪かったから.....
だからもうマイキーが思い詰める必要ないよ。
だからだから