第8章 喧嘩とすれ違う思い
「なら、やることわかってんだろ?」
「うん。ケンチン。オレ、リアに謝ってくる。」
「おう。ったく。オマエらは喧嘩すると毎回こうだ。お互い裏かきまくって混乱して結局謝りきれねぇ。ホント世話やけんなぁ」
「ケンチンに言われたくねーし!」
「あ、マイキー君待ってください!」
リツカを追いかけようとするマイキーをヒナが止める。
「何、ヒナちゃん。」
「あのコレ....リッカ君が仲直りのプレゼントだって。私が渡すのは違いますが、でもリッカ君、マイキー君のことを思って必死に選んでたんです。だから受け取ってあげてください。」
ヒナはそう言うとドラケンから小さな赤い紙袋を受け取るとマイキーに渡す。
マイキーはこれそれを受け取り、中身を見ると目を見開くとすぐに大切そうに紙袋から取り出した。
マイキーが受け取ったその紙袋には昔2人で初めてデートに行ったお店の初めて2人で分け合ったキャンディだった。
「キャンディの意味は"あなたが好き"って意味なんです。リッカ君はマイキー君のことを嫌ってなんていません。だからどうか、ちゃんと仲直りしてくださいね。」
「ウン。ヒナちゃんありがとう。」
渡された小さな紙袋を優しく握りしめると、マイキーはリツカの後を追うように走り出した。