第8章 喧嘩とすれ違う思い
「マイキー!!」
「何?」
「何じゃないよ!なんでリツ兄にあんな態度とったの!リツ兄帰っちゃったじゃん!」
「は?俺のせい?アイツ用事あるとか言ってたじゃん。だから帰ったんじゃねーの?」
「そんなわけないじゃん!!リツ兄は────」
「エマさっきからうるさい。」
心做しか機嫌の悪いマイキーはパクリと呑気にどら焼きを頬張る。
「.....マイキー、今すぐ謝ってこい。」
「は?なんで?俺悪くねぇーし。」
「オマエ、リッカが声掛けてきたの気づいてただろ。」
「......だってアイツ.....俺の事大っ嫌いって....」
「アイツがお前のことを本気で嫌うと思うか?」
「.....」
「.....リッカとお前が喧嘩してるのは知ってる。つか半分俺らのせいだしな。でも、アイツが傷つく事言ったり、態度取って、泣かせて、十中八九お前が悪い。」
「は?何、アイツ泣いてたの?」
マイキーの顔に焦りの表情が浮かぶ。
焦るぐらいならあんな態度取るなよ。とどこか呆れながら話を続けた。
「タケミっちの見舞いに行く時にな。アイツは泣いてないって言い張ってたけど、肌が白いからすぐわかった。目の周りが赤かったんだよ。」
「......」
「アイツは物分りが良い分、なんでも自分の中で片付けちまうとこがある。このままじゃアイツ本当に東卍から抜けるぞ。」
「.....そんなの絶っ対ぇ認めねぇ。」
「もう、お前に守らせてくれねぇかもな。」
「何それ。俺以外の奴に守られるとか絶っ対ぇ認めねぇ。」
「もう、お前と一緒にいてくれないかもな。」
「そんなの絶っ対ぇヤダ。アイツは俺のだし、俺以外の奴と一緒にいるのも許さねぇ。」
「マジでオマエのこと嫌いになるかもな。」
「そんなの絶っ対ぇヤダ!アイツには嫌われなくねぇ....あいつには俺以外いらない。俺だけでいい.....俺無しじゃ生きて行けなくなって欲しい。」
「オマエ、ちょっと怖ぇぞ?」
「リアはオレのだもん。」
ドラケンははぁ〜と息吐くと、不安そうに顔を歪めるマイキーを見据える。