第8章 喧嘩とすれ違う思い
「さて、次はどのお店に行く?」
『あ、じゃあマイキーに仲直りのプレゼント選びたいんだけど....』
「うん!選びに行こ!」
2人に連れられ、リツカはマイキーにあげるためのプレゼントを買いに行く。
柄じゃないとは思う。
でも、折角仲直りするならマイキーの笑顔が、喜んでいる姿が見たい。
そう思った。
「よし、マイキー用のプレゼントも買ったし!次あそこの店に行こ!」
お店を出て、さぁまたショッピングを再開させよう!となったその瞬間
「あれ?エマとヒナちゃんじゃん。」
今1番聞きたくない声が聞こえた。
リツカはギギギ....と油が切れたブリキノのおもちゃの様に振り返るとそこにはマイキーとドラケンの姿があった。
「あれ、マイキーとケンちゃん!どうしたの?」
「そこのゲーセンで遊んでた。」
マイキーはそう言いながらこっちに近づいてくる。
するとマイキーとリツカの視線がバチッと交わりる。
『あの......マイキー.....』
リツカが弱々しく呟く。
しかし、その声は周りの音にかき消されてしまったのか、マイキーに届くこと無く、冷たい目をしたマイキーはすぐに素っ気なく視線をそらす。
────あ、やばい泣きそう。
ズキンッ。胸が痛くなった。
呼吸が段々と浅くなっていく。
ダメだ。ここに居たくない。
そう思ったら行動は早かった。
『あ.....エマ!ゴメン。オレ用事思い出した。帰るわ。荷物持ちドラケン達に頼みな。』
リツカは溢れ出そうな涙をグッと堪えると、肩にかけていたエマたちの荷物をドラケンに押し付ける。
『ゴメン.....ドラケン後頼んだ。』
「え、え!?ちょ、リツ兄!」
「リッカ君!?」
「あ、おい!リッカ!」
止めるエマ達の声を背にリツカは行く宛てもなく走り出た。