第8章 喧嘩とすれ違う思い
話を聞いたエマははぁと重いため息を吐き、ヒナは少し怒ったような顔をしていた。
「なるほどね〜。そりゃリツ姉が怒るのも納得だわ。」
「マイキー君ヒドイよ!リッカ君にそんなこと言うなんて!」
『2人とも落ち着いて、元は言えば売り言葉に買い言葉を真に受けちゃった私が悪いんだし....しかも私もマイキーを傷つけるような言葉言っちゃったから....』
「それでもだよ!」
「でもいいの?お祭り、本当はリツ姉、マイキーと行きたかったんでしょ?」
『.....うん。でもマイキーも今の私とは行きたくないだろうし.....もしかしたら本当に嫌われちゃったのかもしれない。だとしたら、ちょっと寂しいけど、一旦距離を取った方がお互いの為かなって.....』
泣きそうになるのを我慢し無理やり笑みを浮かべ、するりと薬指を撫でるリツカにエマとヒナは押し黙った。
「リッカ君!」
ビクッ!?
バンッ!!ヒナが手をついて立ち上がる。
『え、え!?急にどうしたの?ヒナ。』
「マイキー君と仲直りしよ!」
「!そうだよ!リツ姉。このままじゃリツ姉が苦しいだけだよ。まだお祭りまで半日あるし、仲直りして一緒に行こ!」
『でも.....マイキー、今の私と会いたくないだろうし....』
「そんなことないよ!」
「それともリッカ君はマイキー君と仲直りしたくない?」
『.....』
フルフルとリツカは勢いよく首を横に振る。
それを見て2人はクスリと笑う。
「じゃあ、仲直りしよ!私たちが協力してあげるからさ!」
「いつもリッカ君に助けられてるもん!協力させて!」
『うん!ありがとう。エマ、ヒナ!』
少し涙目のリツカがにっこりと笑うと、2人は安心したような表情を浮かべた。