第8章 喧嘩とすれ違う思い
「ごめんね!リツ兄、遅くなっちゃった!」
『全然、今来たところ。2人ともすごくお洒落、可愛いね。』
「もう!そんなこと言うからモテるんだからね!」
『え、ホントのこと言ったまでなんだけど?』
「もぉー!そういうとこ!」
『ごめんごめん。で、どこから回る〜?』
「まず、あそこで服を見て〜、アクセとコスメも見る!」
「ランチどうする?」
「それは最近オープンしたって言うお店に行こうよ!チョー美味しいらしいよ!」
「いいね!ってリッカ君。聞いてるの?」
自分から問いかけておきながらボォーとしているリツカに心配したヒナが問いかける。
『聞いてる聞いてる。ところで2人の今日のお目当ては何?』
「明日の祭り用の浴衣!今持ってるやつ古くなってきたから、新調しようと思って。」
『ヒナも?』
「私は浴衣持ってなくて💦」
『せっかくのデートだもんね。飛びっきり可愛いのにしようよ。どこまでも付き合うよ!東卍のお姫様たち!』
「流石リツ兄わかってるぅ!早速選びに行こ!」
エマに手を引かれ、3人はショッピングを始める。
「リツ兄、これどうかな?」
『うん!似合ってるよ!』
「リッカ君、こっちとこっちどっちがいいかなぁ〜」
『うーん。そっちの色は暗すぎるんじゃない?左の方がヒナに似合うと思うなぁ。』
まずは本日のお目当てである浴衣を新調し、次は浴衣に合うアクセとコスメを買う。
それからは2人が欲しいものを次から次へと買っていき、最初は軽かった荷物が段々と増えて行った。
『(重っ.....女の子って大変だなぁ.....)』
「そろそろランチにしない?」
「そうだね!この時間だったら空いてそうだし!リツ兄、行こ!」
『はーい。』
3人は最近オープンしたという店に足を運ぶと、それぞれ注文をする。
「んで、リツ兄────じゃなくて、リツ姉!」
『ん?』
運ばれてきたオシャレなランチを食べながら、エマはリツカを見据える。
「ケンちゃんに聞いたよ。マイキーと喧嘩したんだって?」
『あ〜.....まぁ、うん。』
「どうしてそうなったの?」
2人の心配そうな眼差しにリツカは気まずそうにしながらも、事の経緯を話す。
カクカクシカジカカモシカ!