第2章 目を覚ましたら過去だった....
『ハッ!携帯とお財布は....』
頭を抱えたリツカは少しでも状況を把握するためポケットに手を入れ、物色する。
けして大きくはないポケットだが、折りたたまれた携帯と可愛らしいストラップの着いた財布が出てきた。
『あれ?携帯が.....スマホからガラケーにジョブチェンジしてる.....』
マジか〜...今日のロクボとってないのに〜とボヤキながらパカッと開く
2005年 7月4日 17:30
『...は?えっと今が2017年だから.....
1、2───12年前ェェ!?』
いやいやまさかそんなはずはない。
あまり西暦は気にしたことが無いが、確か今は2017年のはずだ。
だが、このガラゲーでは12年前の今日と示してある。
「何だよアレ、リアァどうしたんだ?」
「知らね。頭殴られたみたいだしおかしくなったんじゃね?」
頭を抱えるリツカを見て、ドラケンも場地も訝しげ見つめる。
すると、凛とした懐かしい声が辺りに響いた。
「リア!!」
さっきまで頭を抱えていたリツカはその声の主を見て息を飲む。
それはさっき私を敵のバッドから助けてくれたマイキーが心配そうな表情を浮かべこちらに向かってきた。
『マイキー...』
「リア。無事か?」
「おぉ、マイキー。コイツどうにかしろ。さっきからおかしくてよ。」
「は?どういうこと。ケンチン。」
「いや、それがさぁ────」
『〜っ。』
軽くパニック状態にあるリツカを置き去りにして、何かを話し始める3人を見てリツカはポロポロと涙を零す。
「おいおい....どうしたんだよ!」
「!?おい。どうしたんだよ?どっか痛ぇのか?」
『あれ...何これ...』
タンザナイトの瞳から零れ落ちる雫に3人はギョッとする。
「お、おい?大丈夫かよ。」
『〜っ!ごめ、ごめん。ごめんなさい!
マイキー...場地、ドラケンごめんさいっ!!』
何度も裏切ってしまった彼と救いたくても救えなかった友人たちを目の前に罪悪感なのか、それとも懐かしさなのか。
表しようのない感情がリツカの中を渦巻き心という器からこぼれ落ちる。