第8章 喧嘩とすれ違う思い
卍 卍 卍
「笑ったなぁ」
「久しぶりに笑った。」
「チョー臭っせぇーし。」
思い出したドラケンは笑い混じり話す。
「髪洗いましたから。」
結局あの後、タケミチは臭い頭を念入りに洗うと、髪の毛のセットもそこそこにみんなで近所の公園へ移動した。
「俺が悪かったよ。マイキー。」
ドラケンはサッカーをして遊ぶアッ君を見つめながら呟いた。
「ううん。俺の方こそゴメン。」
「でも、2人はなんで喧嘩なんか.....」
「「......。忘れた。」」
2人の声が重なる。
すると、マイキーは飛び起きるとどこまでも続く空を見上げた。
「でも、正しいのはケンチンだ。パーは自首したんだもんなぁ。」
そう言ったマイキーの横顔はどこか寂しそうな表情を浮かべている。
その横顔を見みたドラケンとタケミチ、リツカは数日前のパーちんの覚悟を決めたような顔を思い出した。
【オレ自首する】
マイキーはパーちんを無罪にしたかった。
それが悪いことだってわかっていてても。
ダチとしてパーちんを助けたかったマイキー
パーちんの覚悟を大切にしたドラケン
どちらも曲げれないものがあったから喧嘩になってしまったのだろう。
「パーが出てきたらいっぱいお祝いしような!」
ピョン!と1歩前に飛び出したマイキーは振り返り笑う。
ドラケンはその顔を見て一瞬目を見開くと、フッと笑ってマイキーの後ろを着いて行った。