第8章 喧嘩とすれ違う思い
不安そうな表情を浮かべるリツカと泣き崩れているタケミチを見て2人は気まずそうに目をそらす。
「タケミっち」
「もういいよ!帰ってくれよ!」
「....あのさ、その.....さっきからずぅーと」
叫ぶタケミチにマイキーは神妙そうな顔をすると
─────「頭にウンコついてるよ。」
爆弾発言をする。
その瞬間リツカの顔はスペースキャットの顔となる。
「へ?」
マイキーの言葉と共に全員がタケミチの頭に視線を向ける。
『.....あーマジやん.....』
「えーーー!?なんじゃコリャっ!!」
慌てたタケミチの頭からう〇こが落ちる。
アッ君は目をぎょっとするとタケミチから距離をとった。
「キッタネー!タケミっち!!」
「なんでもっと早く言ってくれないんッスか!」
ハハハハ!!とドラケンが笑い出したのを皮切りにマイキーも吹き出し笑い出す。
「だってすげぇ真剣なんだもん!!」
「真剣って!そりゃ2人が!!」
「逃げろケンチン。ウンコが来んぞ!!」
「臭っせぇー!!」
2人はイタズラをした子供のように無邪気な笑い声をあげると一緒にその場から逃げ出す。
「(あれ?仲直りしてる?)
しかし頭臭っせぇーな。コレどーすりゃ───」
タケミチがアッ君達に視線を向けると、そそくさと帰ろうとする溝中五人衆が視界に入る。
「あ、」
ギクッ!
「やっべぇー!! 」
「臭っせぇー!!」
「逃げろー!!」
「エンガチョー!!!」
巻き込まれまいと4人は即座にその場から逃げ出す。
「逃げんなよー!オマエら!ったく。ねぇリッちゃん.....」
『はーい。タケミチ。こっち向いてー』
「ん─────ブッ!!!」
リツカがホースを片手にタケミチの顔面に向かって水をかける。
「みんなひでぇよー!!!」
ハハハハッ!!!
雲ひとつない晴れた空にタケミチの嘆く声と笑い声が響き渡る。
『ありがとう。タケミチ((ボソッ…』
リツカはアハハッ!と笑った後
「どーすりゃいいんだよ....」と呟くタケミチに視線を向け、誰にも聞こえないでそう呟いたのだった。