第8章 喧嘩とすれ違う思い
─────ガシャーン!!
『あ.....』
「......」
「大丈夫か?タケミっち」
タケミチによりすっかり毒牙を抜かれたマイキーが問いかける。
「うっせぇー!!!!」
モゾモゾとゴミ置き場から怒号と共に這い出てくるとものすごい勢いでドラケンに詰め寄る。
「俺の思い出なんてどうでもいいんだろ!?」
「まぁまぁ落ち着けって。」
「落ち着け!!?ふざけんな!暴れてたのはテメェらだろ!!」
「.....」
胸ぐらを掴まれたドラケンはどうしたらいいか分からず、リツカに視線を向けるがリツカは素知らぬ顔をしていた。
「タケミチ!!」
流石にこれはマズいとアッ君が羽交い締めにして止めに入る。
「タケミチ!ダメだよ!死ぬ気かオマエ!!」
「うっせぇー!!放せ!!周りのことなんてどうでもいいんだろ!?」
「悪ぃーって!別にオマエのこと傷つけるつもりはなかったんだ。」
『結果的に傷つけてるけどね。』
「「ゔっ.....」」
容赦のない一言にマイキーもドラケンも苦虫を噛み潰したように顔をしかめる。
「眼中にねぇんだろ!?」
「タケミチ、よせって!」
「どうでもいいから喧嘩なんかしてんだろ?」
力の抜けたタケミチはアッ君の腕から抜け出すと、その場にへたり込む。
目の前には、折れたゴールデンバットが転がっていた。
「アンタら.....アンタら2人がモメたらどんだけ迷惑かけるかわかってねぇだろ。」
「「.....」」
「アンタらを.....っ」
タケミチの声が震え、青い瞳から涙が伝う。
「2人を慕って着いてきた皆だってモメちゃうんだよ!!?2人だけの問題じゃねぇじゃん!!!東卍皆バラバラになっちゃうんだよ!!!?」
悲痛の叫びにその場の皆がハッとした様な顔をする。
「そんなの悲しいじゃん!!!
俺ヤダよ。そんなのみたくねぇよ!!自分勝手すぎるよ。2人はもっとかっこよくいてよ.....」
『マイキー、ドラケン.....もうやめよ?2人が喧嘩しちゃったら東卍が、みんながモメちゃう。みんなバラバラになって東卍が終わったら、今必死に頑張ってるパーは一体どこに行けばいいの?』
「「.......」」
『東卍はみんなの居場所でしょ?』
「リア.....」