第8章 喧嘩とすれ違う思い
3人の声以外の怒号が響く。
「テメェら!!いい加減にしろや!!」
「「あん?」」
『(あ、キレた。)』
ギリィとタケミチは拳を握りながら、怖い顔をして2人を睨みつける。
「オレの思い出を....メチャクチャにしやがってぇぇ!!!」
『(まぁ文字通りのメチャクチャだもんね.....)』
睨み合い、険悪なムードの4人の周りには壊れたロードバイク、真っ二つに折れたバットとスケボー、割れた浮き輪、ボロボロの提灯.....etc
ドラケンやマイキーにとってはその辺の物を投げたに過ぎないが、どれもタケミチにとっては大切な思い出であり宝物だ。
それこそ使った日、一緒に使った人を覚えているくらいには大切なものたのだろう。
そんなものを壊されたとあっては、怒らない方がおかしい。
「リッカ君.....止めるなよ。」
『はーい.....』
キレたタケミチを前にリツカは冷や汗を流すと、タケミチから数歩距離をとる。
そして怒りで震えるタケミチが2人に詰め寄ると少しだけ正気に戻った2人は辺りを見渡す。
「あ、」(°°;)
「いつの間に....」
マイキーのやっちまった.....という顔に対して、ドラケンは困惑したような表情を浮かべる。
「ふざけんじゃねぇぇー!!!」
怒りの頂点に達したタケミチが勢いに任せ、マイキーに殴り掛かる。
しかし、彼も伊達に総長をやっているわけでない。
ましてやあの"無敵のマイキー"だ。
攻撃を余裕で躱すと、タケミチはそのままゴミ置き場へと突っ込む。