第8章 喧嘩とすれ違う思い
『ねぇ。人の家の前で喧嘩するのやめなよ。ましてや病み上がりを板挟みにして大人気ない。』
「「!?」」
「リッカ君!」
止めに入るリツカの姿を見て、タケミチは助かった!と言わんばかりに引きつった顔を弛める。
『タケミチ。大丈夫?あとは任せて。』
「え、あ、うん。」
「あ?なんでテメェもココ居んの?」
『マイキーには関係な「答えろ」
『.....ドラケンと一緒にタケミチのお見舞いに来たんだよ。』
「は?オマエ何でケンチンと一緒に居んだよ。」
マイキーの機嫌が目に見えて悪くなる。
どうやらドラケンからリツカに怒りの矛先が向いたようだ。
『別に。ドラケンから誘われたから一緒に来ただけ。』
「誘われたら一緒に行くのかよ。だれにでもしっぽ振る犬かよ。」
『は?意味わかんないんだけど。』
「おい!マイキーいい加減にしろよ!イラついてるからってリッカに当たんじゃねぇ!」
「ケンチンには関係ないじゃん。だいたいコイツが悪いんじゃん。」
『ドラケン。大丈夫だから。な?』
「あ?何オマエケンチン庇ってんの?何?リア、ケンチンのこと好きなの?だから一緒にもいるし、俺に楯突くんだろ。」
『なんでそうなるんだよ。』(💢^ω^)
「そうしか考えられねぇだろ。」
その瞬間
リツカの頭の中で何かが切れる音がした。
『〜っ!!あっそ!そんなにオレ信用無かったんだな!!もういい!タケミチ、オレ帰る!ドラケンも帰ろ!』
「え?え?」
『タルト多めに入れといたから残りはみんなで食べて。』
フン!とリツカはそっぽを向くと、タケミチに本当はマイキー用に持ってきていたミニフルーツタルトがたくさん入った紙袋を手渡すとドラケンの手を引く。
「は?リア。誰の許可得て手作りお菓子他のやつにやってんの?」
『オレの勝手だし。マイキーの許可とる必要なくない?何で許可要んの?』
「お前は俺のモノじゃん。」
まるでそれが当たり前かのように吐かれた言葉にリツカの神経が逆撫でされる。
今思えばこの時かなり頭に血が上っていたのだろう。