第8章 喧嘩とすれ違う思い
「....あのクソガキどもと何かあったんですか?」
『クソガキって.....アンタねぇ。』
「クソガキをクソガキと言って何が悪いんですか。」
しれっとする東堂にリツカははぁと大きくため息をつきながら、立ち上がるとまた窓辺に座り、ゆっくりと流れていく雲を見つめる。
「で、もう一度聞きますけど、先日の抗争で何かあったんですか?」
『.....マイキーとドラケンが喧嘩始めちゃって....みんなマイキー派だとか、ドラケン派だとか言って....争い始めてっ....私どうしたらいいかわからなくて.....』
「.....詳しくは分かりませんが、心配なさらずともどうせあのバカどもはすぐに仲直りしますよ。ずっとそうだったでしょ?坊ちゃんが心配する必要ありませんよ。」
東堂はそう言うとリツカの頭を優しく撫でて、部屋を出ていく。
「東堂の言う通りだよ。マイくん達喧嘩してもすぐ仲直りしてた。だから大丈夫!きっとすぐ仲直りするよ!杏花はそう思うな!」
『うん。ありがとう杏花。』
「どういたしまして!何かあったらすぐに言ってね!杏花はお兄ちゃんの味方だから!」
それだけ言うと東堂の後を追うように部屋を去っていく杏花を見送り、1人残された部屋でリツカは何度目か分からないため息を漏らし、目を瞑った。
【お前東卍から抜けろよ。】
【俺の....東卍の意思にそぐわない奴は要らない。】
『また.....言われるなんて思わなかった.....改めて言われると....結構傷つくな....』
リツカは苦しそうに呟くと、体育座りで身を小さく縮めると、膝に顔を埋める。
『〜っ.....マイキーのバカっ.....』
────Prrrrr!Prrrr!
1粒の涙がこぼれ落ちた瞬間
シンとした部屋に着信音が鳴り響く。
『.....はい。』
「よォ。リッカって泣いてたのか?」
『な、泣いてないっ!で?どうした?ドラケン』
「(コイツ。泣いてたな....)いや、昼からタケミっちの見舞いに行くんだけどよぉ、お前も来るか?」
「無理にとは言わねえけど....」とドラケンの心配そうな声にリツカは俯く。