第7章 分かたれる道
「あ?オイ!コイツ立ったまま気絶してんゾ!!」
まるで珍しいものを見るかのように声を弾ませる長内の声を皮切りに、メビウスから下卑た笑いが起きる。
下卑た笑いの中ついに限界が訪れたパーちんの体はフラフラとふらつきながら地面へと向かっていく。
しかし、それをマイキーが受け止めた。
「ゴメン....マイキー。オレ....ふがいねぇな。」
「何言ってんの?パーちん!オマエ負けてねぇよ。」
「はああ!?何言っちゃってだ!?オマエ!?」
「どこをどう見て負けてねぇんだよ!」
「ふざけたこと言ってんじゃねぇよ!」
「オイ、マイキー!!!とりあえず土下座!!!」
「許さねぇけどな!」
無数のヤジの中
マイキーは無視を決め込み、大切にパーちんの身体を横たえる。
「リア。パーちんの傷。頼んだ。」
『うん。』
腰に着けたメディカルポーチから応急処置道具を取り出すと、リツカはパーちんの傷を手当する。
「全員全裸で土下座な!?」
「ションベンちびんなよ!!」
「....」
また続くヤジの中
東卍メンバーは誰も発言することなく、ただ無言で長内へと向かっていくマイキーを見守る。
「ガキだからって泣いても許さないでちゅよー♡」
「おしりペンペンしちゃうぞー♡」
反応がないことをいいことにさらに盛り上がるヤジを無視してマイキーは余裕でタバコをふかす長内の前に立つ。
「お?やんのか?マイキー。
10秒で殺してや───」
ドッ!!
「る」
ゴンッ!!!
言うか言い終わらないかの瞬間
長内の巨体が目の前から消える。
そして次の瞬間には長内の身体は地面に横たわっていた。
「え?」
マイキーの蹴りが長内の米神に直撃したのだ。
しかしあまりの突然のことにメビウスのメンバーもタケミチも理解出来ず唖然としていた。