第7章 分かたれる道
『パー!!』
「パーちん!」
「はい。所詮中坊レベル〜
東京卍會?名前変えろよ。中坊連合によォ。」
長内がそう言うと、辺りからバイクのマフラー音が響き渡る。
聞こえるだけでも10....いや20近くの音がする。
「なんか、メビウスに喧嘩売るって聞いてなァ」
長内はまるで指揮者のように左腕を高らかにあげると、パチン!と指を鳴らした。
するとぞろぞろと長内の後ろから白い特攻服を着た大軍が現れる。
「こっちから出向いてやったってわけ」
「チャキーン」
「踊れや中坊ども」
「ンだよ。ヒョロいのばっかじゃん。」
「(最悪だ!囲まれた。)」
『(乱闘になればタケミチを守るのが厳しくなる.....どうにかしないと.....)』
大勢の下卑た笑い声を他所にリツカは冷や汗を流すと隣にいたタケミチに視線を向ける。
「マイキーちゃぁーん。戦争だ」
【オラァァ!!ぶっ殺すぞぉ!】
『(ナオトが言ってた....
【メビウスとの抗争が全てのきっかけです】
コレを止められなかったら......みんなはどうなるの.....?)』
「(ヤベェ!!どうしよう!?)」
不安を募らせる2人を他所に長内は下卑た笑いを浮かべる。
「中坊連合のマイキーちゃん」
「......」
対するマイキーは冷たい表情のまま立ち上がり、長内と距離を縮める。
「中坊相手にこの人数で奇襲.....イメージ通りのクソ野郎だね。長内くん。」
「あぁ!?聞こえねぇよ!チビすぎて!」
「(イメージ通り?俺のイメージとは違いすぎる......12年後と今.....本当に?同一人物か?)」
「『(どうしたら、あんなに変わるんだろう.....)』」
互いを煽り合う2人を前にタケミチとリツカの思考が一致する。
「オイ!!」
あまりの変貌を遂げてしまった長内を前に2人が唖然としていると、その視線に気づいた長内がタケミチに凄む。
「何さっきからジロジロ見てんだよ!」
「え?.....いや」
ゴッ!!!
鈍い音が辺りに響き渡り、リツカの隣にいたタケミチの体がよろめいた。