第7章 分かたれる道
「お前今見下したな?そういう目が1番嫌いなんだよ!」
長内はそう言うとタケミチをまた殴ろうとする。それを見たリツカはすかさず、タケミチと長内の間に割って入ると、長内の拳を止めた。
『っ!(重い拳....受け止めた手が痛い。メビウス総長の名は伊達じゃないってことか。)』
「!?(リッちゃん!)」
「あ?なんだテメェ。」
『俺のダチに手ぇ出さないで貰えます?』
「俺に指図んじゃねぇよ!チビが!」
『暴力でしか、自分の意見を言えない"手前様"に言われたくありません。』
「あぁ!?言わせておけば、東卍の特攻隊長様は随分と物分りが悪いみてぇだなぁ!?」
ガッ!!と長内はリツカの胸ぐらを掴むと自分に引き寄せる。
「見下してんじゃねーよ。殺すぞ。」
『.....長内くん。今すぐに兵を退いてください。』
「あ?何言ってやがる。」
『今兵を退かないと貴方はこの先酷い目に会うことになる。後悔する羽目になるんです。だから、兵を退いてください。』
「はあ!?意味わかんねーよ!やっぱテメェオレがバカだからって見下してんだろ!?」
「リッカ!!」
ガッ!!
長内は片手でリツカの細い首を掴みあげる。
自重で首が閉まり、だんだんと呼吸が浅くなっていく。
『カハッ.....見下してる、とかそういう問題.....じゃないです!』
「黙れぇ!!お前みたいなスカした奴が1番嫌いなんだよォ!!!」
ギリィ!と首を持つ手に力が加えられ、ブツ!と肉が避ける音がした。
『いっ!』
「このまま逝っちまえよ!クソガキ!」
そして、長内はリツカに向かって拳を振り上げる。
争うなと言った以上リツカは反撃をする訳にも行かず、その拳を受け止めるため覚悟を決めた。