第7章 分かたれる道
「リッカ君!」
『っ!』
「これ以上喋ったら殺すぞ。テメェは黙ってろ。で、ドラケン。どう攻める。」
『パー!お願い.....メビウスとは争わないで.....取り返しがつかなくなる!!お願い!!』
「いい加減にっ!しろ!!じゃあ根拠を言ってみろよ!!」
『それは......言えないっ』
「またそれかよ!!」
ガッ!!
パーちんの振り上げられた拳がリツカの頬に直撃する。
リツカの華奢な体がよろめき、口の中に鉄錆の味が広がる。
切れた唇から血が滲むと目の前に星が散った。
『今は言えないでも────』
「〜〜っ!!抗争はダメ!根拠は言えねぇ!なら誰が俺のダチをこんなボコったんだ!!」
『分からないよ!!でも!東卍は嵌められてる....それだけは事実なんだ!!』
「そんなの信じられるか!!」
『パー!信じてよ....オレを殴りたいなら好きなだけ殴ればいい。それでパーの気持ちが落ち着くなら、オレはそれでいいから.....頼むよ、パー』
強い光を放つタンザナイトの瞳がパーちんを射抜く。
その目にパーちんは息を飲む。
「タケミっち、リア。お前の話はわかった。東卍はメビウスとヤる。」
『マイキー!』
「お前らはなんも分かってねぇ。俺がヤるって決めた以上東卍はメビウスとヤるんだよ。」
「っ!!」
『.....』
冷たく冷酷な黒曜石の瞳が2人を見据える。
『例え.....マイキーの決定でも....オレは退かない。』
「あ?」
『っ.....オレは東卍に終わって欲しくない....オレにとって.....東卍は唯一の居場所だから.....』
「.....」
『でも、メビウスとやり合りあえば東卍は終わっちゃう。それは嫌なんだっ......マイキーと離れ離れになるのも、皆と離れ離れになるのは嫌なんだ。』
声が体が震える。
苦しい痛いと胸が心が叫んでいる。
もしこの抗争を止められなかったら....
ドラケンが死んでしまったら...
私は皆と離れ離れになり、12年後には杏花を失うことになる。
それだけは嫌だ....
誰かに不幸になって欲しくない。
誰も死んで欲しくない。
もう.....誰かを失うのは嫌なんだ.....!