第7章 分かたれる道
卍 卍 卍
─────2017年
『ナオト!メビウスの総長、長内に着いて調べて欲しいの!!』
「出来るだけ早くな!てか、今すぐに!!」
「はぁ??」
2人は帰ってきて早々ナオトにそう頼み込む。
急に帰ってきて、急なお願いをされたナオトは意味が分からないと言わんばかりに顔を顰める。
「ちょっと意味がわからなんですが?」
『後で説明するから!!』
「早くしてくれよ!ナオト!」
「........はぁ。わかりましたよ....」
半ば呆れた様子のナオトはなんと者の数時間で長内の動向を調べあげると、翌日には3人ですぐさま長内が働いているという工事現場へと向かった。
「本当にここに長内がいるのか?ナオト。」
『どう見ても工事現場......安全第一....』
「いきなり帰ってきて調べろなんて、裏取る時間ないですよ。」
「悪い悪い。」
『ごめんごめん。緊急事態でさ....』
「はぁ!?」
「それに8月3日にマイキー君とドラケン君が抗争なんてデマ情報教えんだもん。今の所有り得ねぇぞ。」
タケミチの言葉を聞いてナオトは悩むように自身の顎に手を当てる。
「むしろ過去ではメビウスVS東卍の抗争が始まろうとしている....龍宮寺が死ぬのはその抗争?」
『いや....ドラケンが死ぬのはマイキー派とドラケン派の内部抗争だよ』
「では、その内部抗争の原因は?」
『12年前の事はうろ覚えで....原因までは....』
「兎に角、メビウスの長内に抗争について聞けばドラケン君の死を止める手がかりがわかるかもしれない。」
「あの、スイマセン、通してもらっていいですか?」
3人で入り口の前で話していると背後から弱々しい声が聞こえてきて、振り返ると1人のみすぼらしい男が立っていた。
「あ、ごめんなさい。」
『すみません。どうぞ。』
3人は申し訳なさそうにする男に道を譲る。
男は「スイマセン」と頭を下げながら、そそくさと工事現場の中へと入っていった。