第7章 分かたれる道
ドラケンがマイキーの頭を掴み下げさせた。
「ちょ、何すんだ!!」
「全部、俺らの責任です。」
「おい!!」
「クズが2人頭下げて娘が治るのか!!? 」
「あぁ!?」
「黙れマイキー。」
抵抗するマイキーにドラケンは顔を顰めながら、押さえつける。
「(マイキー君の言う通りだ。2人は悪くないのに....)」
『.....あの両親だってわかってるんだよ。マイキーたちが本当に悪いわけじゃないって。』
「え?」
『でも、あの子を傷つけた犯人は見つからない.......なのに娘が傷つけられた現実だけが付きまとう。どうしたらいいかわからなくて、やり場のない怒りを何処にぶつければいいのか分からないだけ。親にとって子供は何物にも変え難い宝だから.....』
「宝?」
リツカはそう呟くと、怒りに震える父親に視線を向ける。
『親ってね。子供が傷つけられれば自分が傷つけられる以上に痛いし、悲しくなっていまうものなんだ.....私の親には無かったけど。』
「......リッちゃん」
どこか悲しそうに揺らぐリツカの瞳を見て、タケミチはそれを見て眉をひそめた。
「娘は.....ずっと昏睡状態だ....顔もっ....か、体も傷だらけでっ。なんでだ?この子がお前らに何をしたんだ?」
先程までの怒号とは違い。
父親の口から震えた声が聞こえてくる。
やり場のない怒りと悲しみに震えるその姿を見て
タケミチもリツカも胸が締め付けられた。
『強姦ってね....された方はすごく辛いの....痛いし、気持ち悪いし、怖いしで....』
「リッちゃん?なんでそこまで.......」
『私さ....娘さんの気持ちすごくわかる。』
「!?それってどういうこと?」
何かを決意したように話し始めるリツカにタケミチが不安そうに視線を向ける。
タケミチの視線にある瞳は酷く震えていた。