第7章 分かたれる道
「旗立ってねぇーじゃん!俺はお子様セットの旗にテンション上がるのに!!」
「(へ???リッちゃんどういうこと?)」
『(あーえっと.....マイキーのこだわり的な?)』
「(あ......そうなんだ.....)」
アイコンタクトで会話するとタケミチはどこか呆れたよう様子で2人を見守る。
「俺はお子様セットの旗にテンション上がるの!」
「すみません。直ぐにお持ちします。」
「ほら、マイキー旗だぞ〜」
抑揚のない声でそう言ったドラケンは懐から1本の旗を取り出してグサッ!とチキンライスの上に刺す。
「わぁ〜!流石ケンチン!!」
旗を見て一瞬で機嫌を治したマイキーはキラキラした目で旗を見つめる。
「今どっから出した?」
『ドラケンはポケットにマイキー用の旗をストックしてるんだよ。』
「なんか、母親みたいだな。それがマイキー君専用のドラ⚫もん」
『まぁ、昔からこんな感じだから見慣れてる方からしたら違和感ないんだよね〜』
「え?そんなに前からなの?」
『うん。小学校の頃からかな。』
「なっっっが!!」
それからは2人で作戦を立てながら、2人の様子を伺っているとしばらくして、また怒号が響きわたる。
「あー!!もうやってらんねぇ!!」
「なんだ!?今度こそ喧嘩か?」
『(だいたい予想が着くな.....)』
「食ったらすぐ寝る癖いい加減治せよっ.....」
忌々しそうにそう呟いたドラケンはソファーで寝ているマイキーを背負う。
「ったく。しょーがねぇなぁ。」
ブツブツと文句を言いながらドラケンはファミレスを出ていく。
「マイキー君って普段あんな感じなんだ....お子ちゃまだな」
『いや、あれより酷いよ〜。拗ねたらもっと大変。昔っからそうなんだよねぇ。』
「え?マジで?」
『大変だよ〜。多分面倒見いいドラケンじゃなきゃ無理。』
「そんなに!?って、やばい見失う!急ごう!」
リツカたちは急いでその後を追うため、ファミレスを出るとまた尾行を再開した。