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煉獄さん短編【救済前提/鬼滅】

第1章 ※笑顔の裏側




杏(間違いない。生き残れたのは運が良かったからだ。)

杏「振り下ろす時には刃がぶれないように柄を両手でしっかりと絞るんだ!教わった筈だろう!!」


「はい!気を付けます!!」



頼りない腕とは対称的に凛とした清宮の顔は汗が流れる中であってもその魅力を失わず、それどころか普段と異なる活気がまた違った良さを引き出している。



杏(夫として他にも注意すべき事がありそうだな。)



そんな事を考えながら杏寿郎は暫く清宮を指導したのだった。




―――



そして一週間もあっという間に経ち、二人は杏寿郎の屋敷へ移ることとなった。



(夫婦…。杏寿郎さんと私が…夢にまで見た……。でも私達は普通の夫婦じゃない…。)



杏寿郎は清宮が目出度い日に限って時折暗い顔を見せることが気に掛かっていた。



杏(やはりこの婚姻は不本意だったのだろう。清宮さんはどうして受け入れてくれたんだ。俺がなりふり構わず頭を下げて乞うたからだろうか。)



清宮の暗い瞳が憂いを帯びた瞳へ変わると杏寿郎の胸がざわつく。




杏(……身分違いの慕う男でもいたのだろうか。そうでもなければあれ程容易く…まるで投げやりとさえ言える程早くに答えなど出せないのではないだろうか。)



そう思いながら盗み見る先で清宮は杏寿郎に悟られないよう 小さく溜息をついた。



そんな悩みを抱きつつも杏寿郎の初めての恋心は育っていった。


朝から晩、そして寝る時でさえ一緒にいるようになった事により 清宮が普段隠している面を垣間見られる機会が増えたからだ。



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