第4章 Backtrack
「それにしても…タケミチくんから聞く限りの佐野と龍宮寺、とても内輪揉めをするような2人には感ぜられませんね」
「…」
「それに、タケミチくんは伊織さんと佐野と龍宮寺、3人揃ってひとつみたいだと言っていました。
内輪揉めの中に彼女の存在がないのも気になります。
…表立って出る方ではないので記事にならないのは当然ですが、実際のところどうだったんですか?」
「…知らねぇよ」
…場地さんが気乗りしないつって、内輪揉めのことについては俺もほとんど知らない。
伊織さん、確かにどうしていたんだろう。
最も2人の近くにいて、どちらに着いたんだろうか
「…流石に12年前のこととなると、情報も中々手に入りませんね、、、」
「…」
「やはり東卍も一枚岩じゃなかったってことですかね」
橘直人の言葉が右から左へ抜けていく
…でも、コイツの言う通り、どこか変なのは確かだ
「…全く、変な話ですね。
それだけお二人の近くにいた伊織さんも、その辺りの記憶がないというのも。
普通ならそこまで大切だった龍宮寺堅が死んだ原因となる内輪揉めの原因くらい覚えていそうな気がしますけど。
それだけ龍宮寺の死がショックだったということですかね…」
ドラケンの死が伊織さんにとってショックだったのはいうまでもない。
でも、そうだ、
「…やっぱり、おかしい」
「?松野さん?」
普通なら内輪揉めなんか東卍の末端同士でもあり得ない
マイキーくんとドラケンくんなら、尚更
伊織さんがいる限り、火種が小さな内に解決される。
大事じゃないと出てこない割に、チーム内でのことならいくら小さなことでも話を聞いてくれた
だから本来、伊織さんがいたにも関わらず、抗争に発展するほどの内輪揉めなんか、起こるはずないんだ
「…どうして、、、」
「松野さん??」
どうして、あの2人は揉めたんだ?
伊織さんは、何故止められなかったんだ?