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ONE MORE CHANCE【東リべ】

第16章 Murderers


「ナオト…どういうことだよ!
覚えてないわけないじゃん!?ちゃんと記憶は継承してるのに…!!」

「…」

「言いたくないとかそんなこと言ってる場合じゃないのわかってるだろ!?」

「分かってますよ僕だって…でも…」

「なんだよ…」

「…お二人が眠ってる間、僕だって何もしてなかったわけじゃない。
お二人について…特に伊織さんについて、出来るだけ調べていました。」

「?」




ナオトはそう言いながらとりあえず座るように促した
側にあった椅子に腰掛けると、ナオトはその向かいに座って重たい口を開く




「伊織さんが眠っている間、血液を採取させてもらいました。」

「血を?」

「ええ。
検査の結果、健常者の数値とは遥かに違った。」

「…どういうことだよ…」

「伊織さんは、重度の薬物中毒者です。」

「は…?」





ナオトが何を言っているのか頭が理解できなかった
薬物中毒…?
何を言ってるんだよ…コイツは…





「そんな…あり得ねえだろ…だって伊織さん医者だぞ?
そんなのって…」

「タケミチくん。正直もう、彼女は僕らの知ってる彼女じゃない。
薬の種類も麻薬として警察で特定されたものではなくて、実際に使った薬はなんなのかわからないままです。
今の東卍の中での彼女についても調べました。」





ナオトはそう言って一束の紙を渡してくる
俺はそれを震える手で受け取ると、パラパラと上から捲っていく





「掴めていないことの方が多かったんですけど、これまでの巨悪化した東卍とは桁違いなほど今回の東卍は力を増してます。
伊織さんがいなかった時の東卍の状態と比較すれば、どの件に彼女が絡んでいたのか想像できます。」

「…」

「今までの東卍と大きく違うところは資金源でした。
…今まではフロント企業からの売上で得た金が大口を占めていましたが、今回は臓器売買と薬物売買の収益の割合が何倍にも増している。
元々の資金も数倍に跳ね上がっているところを見ると…彼女が東卍でいかに大きな存在だったか…想像に難くない。」





ナオトの言葉が脳に響く
そんな…そんなにも変わってしまうなんて…

マイキーくんもみんなも変わってしまったのは分かっていたけど、12年で変わるものの大きさにショックが隠せなかった
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