第16章 Murderers
「これより!東京卍會緊急集会を始める!!」
情報の吸い上げがうまくいってないこと、そして東卍全体の被害が相当であることを理由に開かれた緊急集会
やはりその場には伊織さんの姿は見えない
「今日ウチのメンバーが東京各所で襲撃にあった!
横浜の天竺ってチームの仕業だ!!」
「天竺?お前知ってる?」
「さぁ?横浜のチームだろ?」
「東京に何の用?」
やはり知らない隊員が大半のようで、ザワザワとみんなが呟き合う
「天竺は最近になってできたチームだ!
まだどんなチームかわかんねぇ!
だからお前らの持ってる情報が欲しい!
まず最初にモメたのは壱番隊!前に出ろ!」
「ハイ」
千冬が一歩前に出てドラケンくんを見上げる
ドラケンくんはひとつ頷いて報告を促す
「俺らを襲ってきたのは望月隊と名乗ってました。」
「望月隊?」
「呪華武元総長望月莞爾が率いてる部隊だ。
恐らく天竺の主力部隊。」
「川崎の望月じゃん」
「ちょー有名人」
「S62世代の1人…」
S62世代…?
なんだそれ…
モッチーがそれなりに有名人なのは周りの反応でわかるけど、S62世代ってのはなんだ…?
「天竺の主力はモッチーじゃねーよ」
「あン?」
「天竺には灰谷兄弟もいた」
「灰谷兄弟って…」
「六本木のカリスマの…!」
「S62世代ばっかりじゃん!」
三ツ谷くんが灰谷兄弟の名前を挙げるとさらに場がざわつく
またS62って…
でも灰谷兄弟は知ってるな…確か血のハロウィンでもチラッと見た気がする
確か兄貴が三つ編みの奴で弟は金と水色の眼鏡だったっけ…あれ?逆か…?
「マイキー、他でやられた連中みんなが口を揃えて言ってた
…斑目にやられた…と」
「…なるほど、東卍が潰した9代目黒龍の亡霊か」
「その斑目もS62世代の1人だ」
「え?」
「つまり天竺はまとまるはずのないS62世代の連中が一つになったチームってことか…」
「東卍との因縁も深そうだな」
ドラケンくんがマイキーくんにそう声をかける
…また俺の知らない何かがある
そのS62世代とかいう連中と東卍について…もっと知らねえと…!