第15章 Merry X'mas
「あ!タケミチくん、絵馬あるよ!」
「お!!書こうよ書こうよ!」
「正月って感じでいいなぁ。
みんなで書くか!」
「俺絵馬とか初めて書くわ」
「え!?三ツ谷書いたことないの?」
「ああ。願い事書くんだっけか?」
500円玉を箱の中に入れ、油性ペンで犬柄の絵馬にそれぞれ願い事を書き綴る
願い事…願い事…みんなの未来が明るくなりますように、とか?
なんかしっくりこねぇな…
「!そうだ、」
ちょっと子供っぽくて恥ずかしいけど、別に誰に見せるわけでもないしいいだろう
結局俺がなりたい姿をそのまま書いた
「なんて書いたの?」
「っ!ヒナ!えっと…ホラ!
人に見せたら叶わなくなるっていうじゃん!?」
「え?なになにー?」
「見せろよタケミっち。」
「ダ、ダメッスよ!!って、、」
「あ、」
「あ」
三ツ谷くんと八戒に迫られ、慌てて絵馬を持ち上げると手からするりとすり抜けて飛んでいってしまった
あんな願い事見られたら死ねる…!
その一心で飛んでいった絵馬を追いかける、と、
「千冬!?ペーやんくん!?」
「ん?タケミっち?」
「んだこれ…絵馬?」
「それ返して!!」
転がっていった絵馬を拾ったのはまさかの千冬で、ペーやんくんと2人で来ていたようだ
「え?なになに?」
「いいから返せって!!」
「あ」
「あああ!!ひでぇ!なんで投げんだよ!?」
「つい反射的に」
「反射で投げるなぁ!!」
またもや宙に飛んだ絵馬を追いかける
三ツ谷達に千冬達まで…
東卍メンバーの多くが武蔵神社で年越しするとは聞いていたけど…この様子じゃ他の人にも見られかねない!!
早く回収しないと…!
「待って!オレの絵馬ぁ!!!」
「オレのエマ?」
『は?何言ってんの?タケミっち』
「へっ!?エマちゃんに…伊織さん!?」
人混みに入り込みそうな絵馬に向けてそう叫んだ時、そんな声が聞こえて顔を上げる
そこには着物に身を包んだエマちゃんと伊織さんの姿があった
そしてその2人がいるということは…
2人の後ろにはもちろん、予想通りの面々が揃っていた