第15章 Merry X'mas
『さ、、、とにかくみんな怪我の手当ね。
でもまずは…』
「外の黒龍ですよね…っし!
もうひと頑張り…やるか!!」
『違うけど?』
「へ?」
俺や三ツ谷くん、千冬と八戒が気合を入れ直しているところに伊織さんがそんな言葉を投下する
思わず拍子抜けで間抜けな声が口からこぼれた
と、
ガチャ
「ん?お前ら何そんな構えてんだ?」
「…ドラケン!?」
「お、こっちも全部終わったみてぇダナ!」
「場地さんも…!?」
顔に少し血がついたドラケンくんとドラケンくんのであろう上着を抱えた場地くんが入ってくる
2人までなんでここに…?
「言ったじゃん俺ら、みんなで走ってたって」
『こっちもってことは外も?』
「ああ。外の奴らは全員ノシた!!!
マイキーに負けて兵隊も失った大寿は戦意喪失してる。」
「そっか。」
「ってことは…え!?」
今までの疲れなんか忘れたようにみんな外まで走っていく
その後ろからマイキーくん達がゆっくりと歩きながら言った
「黒龍はもう死んだ!!
俺らの勝ちだ!!!」
階段の下には白目を剥いて倒れる白い特攻服の奴ら
本当に全員…
「すげぇ!!」
「これをたった2人で…?」
「いや、俺は伊織に怒られて見学だったからドラケン1人だ。」
「なおさらバケモンかよ…」
「結局ウチのトップ共が1番怖えな…」
「ヤベェマジで鳥肌立つ…!
な!タケミっち!!」
本当に…本当に…全部終わったんだ…
大寿も八戒も柚葉も三ツ谷くんも…全員生きてる…
1人の犠牲者も出さずにクリスマスを終えられた…!!
「ミッション…コンプリートだ…!」
「だな!」
『…』
グラ…
ぁ、、まずい…安心したら意識が…
「タケミっち!?」
千冬の慌てたような声を最後に、俺の視界は暗転した