第15章 Merry X'mas
「ああああっ!!!」
バサッ
「八戒…」
「みんな、下がってくれ…
タカちゃん、千冬、タケミっち…みんなボロボロじゃん」
八戒はボロボロ泣きながらも笑みを讃えて真っ直ぐ前を見据えた
「ありがとう。もう怖くねえ。」
「八戒…」
「二度と黒龍の特攻服は着ねぇ!!」
「あ?
テメェ…乗せられて強くなったつもりか!?」
「…」
「家族だと!?本当の家族はどっちだ!!?
俺だろ!!?
テメェはずっと柴家を守ってきた長男に逆らうのか!!?」
「っ、やめろ大寿!!
八戒には手を出すんじゃ…」
ゴッ
「え、」
柚葉はきっと、八戒が喧嘩しているところなんて見たことがなかったんだろう
八戒の拳が大寿を沈める様子を見て目を丸くして驚いている
…これくらい、八戒には訳ないさ
コイツは本気になればこんなもんじゃない
だって八戒は…
「東京卍會弍番隊副隊長、柴八戒!!
柚葉を仲間を…家族を守るためにテメェをぶっ飛ばす!!!」
そうだ。
俺たち東卍の仲間だ。
八戒が大寿へと向かっていく
その背中を3人で安心したように見つめながら言葉を交わす
「八戒が変わった…」
「ああ」
「殺すじゃなくてぶっ飛ばすって…
タケミっち!」
「うん」
「未来が…変わるぞ…!!」
千冬がそう俺に言う
その言葉通り、これで未来が変わることを俺も心から願った
「ハァ…ハァ…」
「…神は…まだ私に試練を…?」
「っ!」
「私はっ…!!!
2人も家族を殺めなければならないのですかぁ!!?」
ゴッ!
「八戒!!」
「こんなにも愛しているのに!!!?」
「…バケモンめ」
急にギアを入れ替えたように反撃に転ずる大寿
格の違いを見せるような一発に唖然とする他ない
「残念だ…八戒…
テメェらももう生きて返さねえ。
逃げようとしても無駄だ!
この教会は黒龍の精鋭100人が囲んでる…!」
「!?」
千冬がその言葉に弾かれるように窓の外を覗く
「ホントだぜ…タケミっち…」
「そもそも逃げるつもりはねぇ!
千冬、やっぱり黒龍を潰さねえと未来は変わらねえ!」