第15章 Merry X'mas
「邪魔すんなタケミチ!!」
「うるせえ!!!」
頭突きで八戒を止めた後、その勢いのままナイフの刃を掴む
頭の痛みも掌の痛みも、ただ熱いだけで何も感じない
「分かんねえのかよ八戒…」
「あ!?」
「こんなことしたらオマエ…どうしようもないやつになっちまうんだぞ…!」
「?」
「こんなんじゃねぇだろ!!
立ち向かうってことは!!」
武器使って相手の優位に立って、相手が抵抗できない“死"という最終手段で我を通す
そんなんじゃ後から誰も着いてこねえし何も残らねえ
最後に待つのは孤独と後悔だけだ
「八戒…立ち向かうってのがどういうことか…お前に見せてやる!!!」
「あん?
まだ懲りねえのか?クソガキ」
「「まだ懲りねえ」だと?」
脳裏にヒナの姿が浮かぶ
そうだ…誰よりも先に俺を認めてくれたヒナ
そのヒナが見つけた俺の取り柄
「それだけが取り柄なんだよ」
「…」
「行くぞ!!大寿!!」
ゴッドゴッ!!
「タケミっち!」
「まだまだぁ!!!」
バキッ!ガッゴッ!!!
負けねえ…オレは…絶対に膝はつかねえ!!!