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ONE MORE CHANCE【東リべ】

第14章 Choice


「さて…テメェらはどうする?」

「っ、」

「争うつもりはねぇよ」

「…」




…どうしたらいい…?
稀咲の言う通り、黒龍と争わないと東卍が決めた以上、俺たちがここで火種を撒くのはまずい…
争うつもりがない、というより、争うわけにはいかないんだ

だけど…密会がバレた
どうする…?どうしたらこの場を収められる…?

じっと相手の返答を待つ
ゴクリと喉を鳴らす音が部屋中に響き渡っているようなに錯覚さえ陥る





「…10万だ」

「え?」

「10万でテメェらの知りてえことを教えてやる」

「…」





金…?
でも…なんで…コイツ幹部だろ…?

俺のそんな疑問を他所に、稀咲は財布から新たに10万を取り出しながらそいつに聞いた





「大寿が1人になる時が知りてえ」

「…」





ココは金を受け取り、パラパラとそれを数えると、ポケットにねじ込みながら口を開いた





「ボスが1人になることはない。常に兵隊を5人は連れてる。
…ある一日を除いてな」

「それはいつだ」

「クリスマスだ」





クリスマス…





「ボスはああ見えて熱心なクリスチャンでね…クリスマスの夜は毎年教会に礼拝に行く。
必ず1人でね!」

「なるほど…」

「それだけか?」

「十分だ」

「…俺からもひとつ聞かせろ」

「…なんだ」

「高宮伊織はウチのボスと何をしていた…?」

「…高宮だと?」





ココの言葉に稀咲は眉を顰める
…そうだ…稀咲は伊織さんが黒龍と繋がってたことを知らないから…

俺と千冬は静かにアイコンタクトを取り、気取られないように表情を殺す

でも…黒龍の幹部もその内容を知らないとは思わなかった…
つまりそれは大寿にとっても表沙汰になると都合が悪い話ってことなんだろう






「その様子じゃあ知らねえ見てえだな。
…まぁいい。
例え1人でもボスは強ぇぞ。テメェら4人で勝てるか…見ものだな。
クリスマスが楽しみだ」







バタン






ココはそう言ってカラオケボックスから出て行った
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