第14章 Choice
「三ツ谷くんの顔にドロを塗る…確かになぁ
正直その考えは頭になかったわ」
「うん…」
「中々上手くいかねえもんだな」
ガランとしたテーブル席
…やっぱり俺たちだけでやるしか…
「ま、人生そんなもんだろ!」
「えっ?」
「場地さん!?帰ったんじゃ…」
「バーカ。便所行ってただけだワ。
ちょっと向こう寄れよ。俺座れねーじゃん」
「あっ!スミマセン」
俺はいそいそと奥に寄り、隣にはドカリと場地くんが座る
…危ない
気づかないままだったら未来の話してたかも知れなかった
「八戒とお前らタメなんだろ?
だからこそ色々知ってて考えてんだろーけどよ、八戒んとこの隊長は他でもねー三ツ谷だ。
頭もキレるし計算もできる。伊織だってアイツには一目置いてんだ。
だからアイツを信じろ。」
「はい…」
…わかってる
三ツ谷くんがちゃんとしてることくらい、わかってる
けど…それなのに未来で三ツ谷くんは八戒が大寿を殺すのを止められてない
その変えようのない事実が信頼を邪魔する
「…場地さんも、、、黒龍との抗争には反対ですか?」
「そうだなぁ…
三ツ谷の隊のことを俺らがとやかく言うのはやっぱなんか違ぇ気がする。」
「そうッスか…」
「ま、お前らがダチのためにここまで考えてるのは全然悪いことじゃねぇ!
その想い、三ツ谷も八戒も嬉しいと思うぜ。大事にな!」
それだけ言うと、場地くんはテーブルのコーラを飲み干してテーブルを立った
胸の内に燻っていたわがたまりがすごく溶け、少しだけ心が軽くなった